テーマの設定理由

〈テーマに関する子どもの興味関心など〉
 秋になり、散歩へ行く機会が増えていった。散歩先では 葉っぱや 色々な木の実が落ちていて、子どもたちは 「袋、ちょうだい!」と言って 木の実を沢山拾っては 、保育者から貰った ビニール袋に入れて 大切そうに 持ち帰る姿が見られていた。

 「これは何の実だろう?」「ドングリにも色々な形があるんだね」と子ども同士で話をする場面もあり、子どもたちにとって身近であるドングリを使った制作を行うことで、興味や関心を育み、身近な自然との関わりを より 豊かなものにしてい きたい 。

活動スケジュール

活動内容/日付 時間 年齢/人数
ドングリを入れるカバンを作る 10月/午前中 幼児クラス
ドングリを集める 11月/午前中 幼児クラス
ドングリを使って遊ぼう 12月/午前中 幼児クラス

自然

①ドングリを入れるカバンを作る

活動のために準備した素材や道具、環境の設定

準備するもの 
・ジップロック・カバンの装飾(型抜き・シール)
環境の設定
・朝や夕方など、遠足のカバン作りコーナーを設定する

活動の内容

  • 画用紙で型抜きした“イチョウ”や“ネコ”など好きな形をジップロックに貼って、自分だけのオリジナルカバンを作る

活動中の子どもの姿・声、子ども同士や保育者との関り

 指先に力をこめられる子は、自分で型抜きをしたり、それぞれ好きな形や好きな色の画用紙を選んで取り組んでいる。他児の様子をみて、「わたしもやりたい!」と集まってくる。夕方の時間や、翌日も出来ることを伝えながら順番に取り組んでいく。

活動の様子が分かる写真

 

振り返り

 遠足への期待も膨らませながら、取り組んでいた。それぞれのイメージがあり、同じ形だけを使ったり、貼る場所にもこだわっている。

 大人が誘わなくても、友だち同士でカバンを見せ合って作り始める子もおり、自分から取り組む姿が印象に残っている。

 子ども達同士で関わり合って、自然への興味が引き出されていくと良い。

自然

②ドングリを集める

活動のために準備した素材や道具、環境の設定

  • ドングリや落ち葉をいれるカバンを持っていく

準備するもの 
・「ドングリずかん」を用意する
・虫眼鏡や観察用の箱を用意する

活動の内容

ドングリを拾う。拾ったドングリを空き箱にいれて、虫眼鏡で観察する。「ドングリずかん」を見ながら、ドングリの種類を調べてみる。

活動中の子どもの姿・声、子ども同士や保育者との関り

 遠足先に着くと、自分のカバンをかけてドングリを拾い集める。ジップロックいっぱいに集めている子や、ドングリのぼうしだけを集める子など真剣に探している。
観察の時間になると、虫眼鏡を使ってシマの模様を確認したり、ドングリの大きさを比べ合っている。
 「ドングリずかん」を見ながら、ドングリの種類を見極めるためには、ぼうしのかたちが鍵になることがわかり、ぼうし付きのドングリを探しに行く。

子どもたちの姿

 

 

振り返り

 思った以上に、多くの子がカバンを持ってドングリや落ち葉・木の実を集めていた。
環境の設定に+αを加えることで子どもたちの姿が大きく変わっていく と感じた。 「ずかん」や虫眼鏡など、子どもの興味や関心を引き出す環境の準備の大切さを実感する。
 ドングリの種類を知るためには、ドングリのぼうしが重要だということを「ドングリずかん」を見ながら、大人も一緒に知る。探す→調べる→気づきをもとに探す→調べる という循環が生まれていて、子どもと一緒に興味を深めていくことができた。

自然

③ドングリを使って遊ぼう

活動のために準備した素材や道具、環境の設定

  • ドングリは1 週間以上、冷凍させて幼虫対策をする

準備するもの 
・型紙リース
・ボンド 装飾 フェルトやリボン

活動の内容

型紙 リース に、緑か茶色の画用紙をちぎって 貼り つける。その上に、ドングリやフェルトでつくった形を貼っていく。赤かゴールドのリボンをつけて、クリスマスリースを作る。

活動中の子どもの姿・声、子ども同士や保育者との関り

 季節の制作ということもあって、積極的に参加してくる。「かわいいね」と言いながら作ったり、お迎えに来た保護者に作品をみせて嬉しそうに話している。
 マジックペンでドングリに色を塗る子もいて、思い思いにクリスマスリース作りを楽しんでいる。

活動の様子が分かる写真

  

 

振り返り

 ドングリを集めた日から、日にちが空いてしまったが季節の制作として楽しく取り組むことができた。ドングリを水につけて、虫食いのドングリを調べたり冷凍させるところは保育者がやってしまったが、子どもと一緒にできたら良かったと感じる。

 子どもたちが今年の経験を覚えていて、来年の秋になったら“ドングリで○○つくりたい”などの思いに繋がったらいいなと感じる。

 ドングリの制作は他にも種類があるので、その時の子ども達と一緒に“やりたいこと”を話して自然をつかった遊びを取り入れていきたい。